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まいたびブログ

毎日新聞旅行(東京)「まいたび®」公式ブログです。
国内・海外登山、講師同行「風来人」などツアーの添乗記やトピックス、「旅」の素晴らしさをご紹介するなかで、
旅を楽しむ心がふんわり広がっていく、そんなことを夢見ています。

上野ひろみと行く!みちのく潮風トレイル 宮城県石巻市田代島・網地島ルート&金華山

2023年12月 7日
絶景ランチ
「みちのく潮風トレイル」は、青森県八戸市から福島県相馬市までの4県28市町村の太平洋沿岸をつなぐ、全長1000キロを超えるロングトレイルです。
【道は、人が歩いて道になります。「みちのく潮風トレイル」も、東北に住んでいる人と、東北を訪れる人と、みんながいっしょになって歩くことで、道になる。どうぞ、東北を、この道を歩いてください。それが東北の復興の歩みとも重なっていきます。(環境省ホームページより)
2011年3月11日、東日本大震災。壊滅的な被害を受けた東北三陸沿岸。
12年が経ち、復興も進んできましたが、思うように人口が戻らず大変な地域もあります。
首都圏に住む私たちが訪れる事で、少しでも応援できたらと企画しました。
海と山、東北の自然を楽しみながら、ゆっくり歩きます。】
上記のような文章をパンフレットに掲載し、たくさんのお客様にご参加いただきました。

2023年10月9日(月・祝)1日目
今回のスタッフは上野と岡田の2名。
宮城県石巻駅からスタート。
石巻は漫画家・石ノ森章太郎(宮城県登米郡中田町<現・登米市>生まれ)の石ノ森萬画館から石巻駅までの一帯で、私たち世代には懐かしいアニメのキャラクターがあちこちで見られます。
その「マンガロード」を歩きながら、港近くのいしのまき元気いちばへ。ここで昼食。
昼食後、船で田代島大泊港へ。
田代島はたくさんの猫が暮らしていて「猫の島」として有名です。
正確な数はわかっていないそうですが、島民の数より多くの猫が暮らしているとも言われているそうです。
猫は大漁を招く縁起の良い動物として大事にされています。
猫神社(美與利大明神)

この日はあいにくの空模様。
猫神社(美與利大明神)に立ち寄り、島のえきへ。
ここにもたくさんの猫。
店内には猫グッズなども販売されています。
3みちのく潮風トレイルの標柱.jpg
「みちのく潮風トレイル」の標柱  

「みちのく潮風トレイル」は、分岐点にある道標の上に方向が刻まれています。
「みちのく潮風トレイル」の名前が入った青いテープが付いている場合もあります。
小さな目印も多く、気を付けないと見過ごしてしまいます。
移動手段である船の本数も少ないうえ、田代島はコテージタイプを除くと宿泊施設が小規模な為、今日の最終便で網地島の網地港へ。
この日の宿泊は港近くのペンション。
お風呂が小さく女性のお客様が多かったので、少しご不便をおかけしましたが、夕食は宿の方が採って来られた新鮮な海の幸、自家製ベーコン等々。
「すみません、お酒を飲まない方にご飯をお願いします」と声をかけると「後でお寿司が出ます」との返事が。
器も素敵で大満足の夕飯でした。
4初日の夕飯.jpg5ご飯はお寿司.jpg初日の夕食 ご飯はお寿司

10月10日(火)2日目
この日は波の関係で長渡(ふたわたし)港に船が着けないとの事。
急遽網地港へ戻る行程に変更しました。
島旅ならではのアクシデントでした。

美味しい朝食をいただきスタート。
短い山道を経て細長い島を貫く舗装路を歩き長渡港へ。
一休みしたら大金神社を経由してドワメキ﨑(涛波岐崎)へ。
波が激しく打ち寄せ、船が接岸できない理由がわかりました。
6センニンソウ.jpgセンニンソウ
7ドワメキ灯台.jpgドワメキ灯台(涛波岐埼灯台)
8ドワメキ﨑.jpgドワメキ崎(涛波岐崎)

9オオハナワラビ.jpgオオハナワラビ

ここで昼食と思いましたが、「朝もしっかり食べたのであまりお腹が空かない」との声もあり、風もあったので網地港に戻って食べる事に。
網地港に戻るバスは小さくて一度に乗りきれず2班に分けて網地港に戻りました。

1739年、ロシアの探検隊が水深や緯度の測定を目的に網地島付近を滞在している間、網地島の人々との間で、歴史上初の日露交易が行われ、それを記念して網地港近くには探検隊を派遣したベーリング像が建てられています。
朝立ち寄る予定でしたが急な行程変更で時間が読めず、戻ってから見に行きました。
港周辺では海岸近くに咲く花も。

その後当初の予定とは異なり網地港から船に乗って鮎川港へ。
港からすぐのホエールタウンおしかでお買い物タイム。
併設されたビジターセンターも見学しました。
宿に到着後は、翌日の金華山のヒル対策の為、外で皆さんの靴の足首回りに「ヤマビルファイター」を噴霧。
岡田と作業をしていると外に虹!
翌日はお天気になりそうです。
10ベーリング像.jpgベーリング像
11白浜海岸.jpg白浜海水浴場
12網地島も猫がいっぱい.jpg網地島も猫がいっぱい
13ハマギク.jpgハマギク
14ラセイタソウ(羅背板草).jpgラセイタソウ
15宿と虹.jpg宿と虹

部屋の窓からは金華山。今夜も美味しい夕飯いただきました。

10月11日(水)3日目
この日は良い天気!
16金華山と朝日(部屋の窓から).jpg金華山と朝日

金華山へ渡るには、鮎川港か女川港から定期便が出ていますが、ゆっくり登山し、黄金崎神社を参拝するにはきびしい時刻表。
そこでツアーならではのチャーター船で金華山へ向かいます。
コロナで、減便⇒登山者が減る⇒道が不明瞭と、色々と影響があったように感じます。
特に山頂から海側を下るコースは、藪で覆われている箇所もありました。

この日は定期便の無い平日。
なぜか鹿の姿も少なく、静かな神社でした。(鹿も船の運行日を把握しているかのようです)
金華山の鹿は神のお使いと大事にされています。
鹿が多い=ヒルが多い。
前日の忌避剤に加え、木酢液・アルコール・割りばし等を用意しました。
そして今回初の試み、タオルを細長く切り塩水で煮てから干したものを人数分用意し、足首に巻いて貰いました。
様々な対策の効果で被害はゼロ!
ヒルは大変でしたが、鹿などの糞を分解する「糞虫」の「オオセンチコガネ」と思われる(*)キラキラの虫も見る事ができました。
(*)頭楯(とうじゅん)と言われる口の周辺の形でセンチコガネと区別するようですが、前から写真を撮らなかったのではっきり同定できませんでしたが、前胸背板中央の縦溝からもオオセンチコガネの特徴がみられました。
17水神社.jpg水神社
18オオセンチコガネ?.JPGオオセンチコガネ?

最終日はお天気にも恵まれました。
下山後、黄金崎神社を参拝し、お迎えの船に乗って鮎川港へ。
前日止まった宿でお風呂に入り、帰りは陸路で石巻に戻り帰京しました。

しま山は、山から海を眺めながら歩くその独特の景色は素敵です。
ただ、船の欠航のリスクが高いので、企画側は天気予報とにらめっこしながらドキドキです。
「みちのく潮風トレイル」パート2は、5月中旬に八戸~種差海岸の花を愛で、階上(はしがみ)岳へ登るコースを設定予定。皆様のご参加をお待ちしています。
 
【写真・文 上野ひろみ】
日本山岳ガイド協会 登山ガイドステージ1
信州登山案内人
【写真 岡田裕美子】