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毎日新聞旅行(東京)「まいたび®」公式ブログです。
国内・海外登山、講師同行「風来人」などツアーの添乗記やトピックス、「旅」の素晴らしさをご紹介するなかで、
旅を楽しむ心がふんわり広がっていく、そんなことを夢見ています。

和名倉山(わなくらやま)~秩父湖縦走 奥秩父・縦走路から外れた秘峰へ 塩山駅集合・西武秩父駅解散

2023年10月28日

10月末、秋深まる奥秩父・和名倉山~秩父湖縦走1泊2日の山旅レポートをお届けします。

2023年10月28日(1日目)

20231028_1_640.jpg乗換駅の渋谷はハロウィン警戒中


本ツアーは現地駅の集合解散ですが、個人で計画しづらい行程となっています。
なぜなら、山梨県を起点に、東西に連なる奥秩父主脈縦走路と交差するように南北縦走し、埼玉県に下山するため。車の回収が難しいので和名倉山を縦走したい方には最適なプランと言えるでしょう。遠方からのお客様もおり、14名にご参加頂きました。

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武田信玄公ノ像/塩山駅

初日は和名倉山最寄の山小屋・将監小屋を目指し、約2時間の登山。一ノ瀬高原から小屋までは、落葉樹が多く紅葉が綺麗でした。晴れていれば途中見えるはずの大菩薩嶺や黒川鶏冠山が見えなかったのは残念でしたが、順調に歩を進め将監小屋に到着しました。


20231028_3_640.jpg紅、橙、黄、青葉の競演

交通の便が悪い山域なので、休憩後希望者を唐松尾山東方にある展望地・西御殿岩へご案内しました。
往復2時間半の歩程にも関わらず、多数ご参加頂きました。皆さんとても元気でしたね!
ここは和名倉山を一望することができます。標高も近くの飛龍山と同等の高さ!


20231028_4_640.jpg西御殿岩から和名倉山

夜は山盛りのカレーをいただき、大広間に皆さんで協力して布団を敷いて眠りにつきます。就寝前に冬眠前のヤマネが小屋内に登場する嬉しいハプニング。


20231028_5_640.jpg将監小屋


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おいしいカレーの夕食

20231028_7_640.jpgヤマネ

翌日はいよいよ和名倉山~秩父湖縦走。ですが、その前に和名倉山を巡る歴史を少しご紹介します。
その昔、秩父往還の裏街道として旅人が往来した和名倉山。転機は戦後復興、木材を求め1950年代から和名倉山に伐採の嵐が吹き、多くの原生林が失われました。1964年には東面中心に山火事が起こり、追い討ちをかけるように山は裸に。以降、皆伐の中止、カラマツの植林などあり今度は藪山と化していきます。日本二百名山に選ばれ再び登られるようになったのはここ20年程でしょうか。山の数あれど、これだけ短い期間人に翻弄され続けた山は少数でしょう。


20231028_8_640.jpg八百平にある苔むしたコメツガ


20231028_9_640.jpg木材運搬に用いられた残置ワイヤー


20231028_10_640.jpg生活の痕跡があちこちに

2023年10月29日(2日目)

閑話休題。
ツアーは夜明けとともに埼玉・山梨県境の将監峠を越え、山ノ神土から先は薮と格闘。東仙波や八百平周辺で奥秩父の景色を楽しみながら、順調に和名倉山に到着しました。山頂部は鬱蒼とした原生林が残っています。

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山ノ神土から笹藪と格闘


20231028_12_640.jpg東仙波から雲取山方面


20231028_13_640.jpg私たち以外誰もいない静かな山頂/和名倉山

二瀬尾根は遭難も多い難路ですが、少ないながらも歩かれている印象で、現在地と踏み跡を慎重に確認しつつ下りました。下り序盤は深山らしい苔むした樹林、中盤から後半は森を糧に生きた人々の痕跡が多くなっています。


20231028_14_640.jpg登山道脇は苔・苔・苔

20231028_15_640.jpg森林軌道の遺跡

20231028_16_640.jpg錆びた通信機器

山の魅力とはなんだろう。
和名倉山に登るとそんな思いが浮かんでは消えていきます。過去原生林の皆伐、山火事、鹿の食害と幾度も災難を受けながら、藪山となった時期を経て、豊かに森林が茂り登山者も訪れるようになった現在。森林軌道跡のレールや朽ちた切り株など、人の爪痕は多けれど、どっしりと大きい和名倉山は、幾多の出来事も意に介さず今日も悠然に聳えているのです。泰然自若とした大好きな和名倉山をご案内でき、光栄でした。
ご参加いただいた皆様、また山でお会いしましょう。


20231028_17_640.jpg解散後の電車で仰ぎ見る武甲山

【写真・文 宮本 勝規】
日本山岳ガイド協会 登山ガイドステージ2


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2023年12月20日(水)M2823 倉橋火山と古鷹山 多島県・広島のしま山百選を行く

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2023年12月30日(土)M3513 武甲山 西武秩父駅集合解散