添乗員ツアーレポート ◆春のポーランド南部 タトラとスロバキアハイキング 添乗記
4月下旬、日本ではまだ春の桜から新緑の季節に移り変わろうとしている時期、ポーランド南部に野生のクロッカスを求めて訪れました。
日本よりもやや高緯度に位置するポーランドでは、南部と言えども日本より季節は半月くらい遅く、特に今年は日本と同様にポーランドでも冬が寒かったので、いくぶん遅れ気味の春が訪れようとしている時期でした。
古都クラクフから約2時間車を走らせ、近年花柄のペインティングアートで有名になっているザリピエ村へ。人口は1万人にも満たない小さな村ですが、ペインティングアートのコミュニティーセンターのような施設があり、
ペインティングアートの紹介がされていました。すべての家ではないのですが、村の家々には外壁や、ドア、農作業小屋やバス停などに花柄のペイントがほどこされ、とてもユニークで不思議な印象です。
もともとは長く厳しい冬を少しでも前向きに過ごすために、電気やガスがなかった時代に“すす”で汚れた竈や暖炉周辺をきれいに見せるためにペイントを施したことから始まったとのこと。モノクロのペイントからはじまり、今では年に一度コンテストが行われるくらいになっています。
実際には見られなかったのですが、室内の装飾ペイントも非常に美しいもので、訪れたセンターにはすばらしい写真がいくつも展示されていました。村を後にする頃、ある家のおじさんが、家の中を見ていきなといわんばかりに私たちに手招きをしていたのですが、時間の都合上残念ながら見せてもうことはできませんでした。
でもきっとすばらしいペイントがほどこされているのだろうと後ろ髪ひかれる思いでした。教会の中も花柄に装飾されていたのにはちょっと驚きでした。 |
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その後、私たちは世界遺産の木造教会をいくつか訪れながらポーランド南部・マウォポルスカ地方で宿泊施設を経営している日本人の宿に泊まりました。
ポーランド南部には世界遺産に登録されている木造教会がいくつかありますが、どれも個性的で味があり本当にその当時の人々の信仰心に感心させられます。
世界遺産に登録されていない木造教会でも、すばらしい教会をいくつも目にしました。
この地方には本当にそういう教会があちこちにあり、また道すがらの村々でコウノトリの巣を目にすると、大切に守られる木造建築と共に豊かな自然が守られている地域だと実感します。
枝を集めて電柱の上に大きな巣を作るコウノトリの風景と、木造教会の光景は昔からずっとここにあった風景なのでしょう。皆さんの心にも響いてくれていたはずです。 |
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さて、次はこの旅のポイントのひとつでもある日本人経営の宿です。
ポーランドのこんな田舎で宿を経営している日本人がいるというだけで驚きですが、オーナーのアキコさんはもう22年も前にここに移り住んだというからさらに驚きです。
日本人には何かとアウシュビッツのイメージが強いポーンランドですが、この地方の自然に魅力を感じて移住までしたアキコさんに色々とお話を聴かせていただきました。
想像するまでもなく、非常に苦労をされながらも、立派に宿を続けてこられたことがよく分かりました。そんな方の宿に1泊だけでしたが、宿泊できたことは今回ご参加の皆様にとっても、
興味深かったのではないでしょうか。ザコパネ様式というポーランド南部独特の建築スタイルでデザインされた宿は小高い丘の上に建ち、木材をふんだんに使いオーナーのアキコさんに負けず劣らずとても素敵な雰囲気でした。
早朝、テラスから見える雪をかぶったタトラ山脈の景色もすばらしかったのは言うまでもありません。私たちだけでなく、ペットの犬とネコもとても名残惜しそうでした。 |
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さて、今回のツアーの最大の目的は、ポーランド南部のタトラ山地で野生のクロッカスのお花畑を見ることです。
まったくと言い切っていいほど日本では知られていないタトラのクロッカス畑、もちろん野生です。これがどれほど美しい光景かは「百聞は一見にしかず」です。
ザコパネの町に連泊していくつかのポイントをまわりましたが、雪解けのタイミングもちょうどよく、足の踏み場もないほどクロッカスが咲いている光景は本当に夢のようでした。
下の写真をご覧ください。男心もくすぐられます。この光景に言葉はいりません。 |
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いかがでしたでしょうか?目の前に広がる一面のクロッカスの光景を楽しむべく多くの人が訪れて、花畑の中でのんびり過ごしていました。 |
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この後、私たちはスロバキア側に移動して里山のようなハイキングトレイルを散策、さらに行程にはなかったのですが、時間的に余裕があったためにスロバキアの世界遺産・シュピュシュ城をおまけで見学してからザコパネにさらに1泊して古都クラクフに戻りました。
ちなみにこのツアー中、ポーランドで観光に来ている日本人はまったく会いませんでした。 |
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こぢんまりとしてかわいい町・ザコパネ、そして旧市街が世界遺産の古都クラクフ。今回のツアーでもポーランドのほんの一部を訪れたに過ぎませんが、
ポーランドの新たな魅力を感じていただけたのではないかと思います。「ポーランドに山?」アウシュビッツ以外にポーランドを知らない方、是非ご自分の目で魅力あるポーランドを発見してみてください。
桜やモクレンが咲き、足元にはタンポポが咲いて、緑は一層淡くなり春が少し進んだ印象のクラクフを後にしました。 |
(文と写真/渡辺和彦)2012. 4.17~4.26 |