添乗員ツアーレポート◆南木曽岳と経ヶ岳 添乗記



 百名山が終わってしまった人の本格派山旅。登山者の少ない三百名山の南木曽岳と二百名山の経ヶ岳に秋晴れのなか1泊2日で16名のお客様と添乗員2名で行ってきました。 今回はどんな素晴らしい景色が見られるのかと期待しておりました。山はどちらも意外と厳しく多難ではありましたが、素晴らしい展望の山旅でした。 新宿を7時に出発してバスは狭い坂道を登り、蘭(あららぎ)キャンプ場の先の登山口駐車場へお昼前に到着。昼食を各自とっていただき登山開始となりました。

登山口駐車場

 2016年7月より大規模な治山工事が行われており、はじめから登山道は大幅に変更され、工事案内通りに歩かないと迷ってしまいます。

登山口工事中

登山道工事中

 何とか登りと下山の分岐地点に到着。間もなく金時ノ洞窟前を通過します。

上り下り分岐

金時ノ洞窟

 新旧入り混じった手作り感たっぷりの木道桟橋を慎重に歩いていきます。

複雑な木道

新しい木道

 しばらく登ると、高野槇の立派な大木の樹林帯になり、登りが徐々にきつくなります。

高野槇林

 一段上がると、長くしっかりとした手すり付きの木の桟橋の前に来ます。 ここから紅葉を望めました。桟橋の途中には大きな岩が飛び出ています。

長い桟橋

紅葉

 この先からが本番の木の梯子と鎖場の連続急登になります。南木曽岳の頑張りどころです。そこを抜けると、かぶと岩が見えるところへやって来ます。

かぶと岩

 もうひと踏ん張り登りつめると、樹林に囲まれた石碑がある南木曽岳頂上1,677mに到着です。展望がないので写真撮影をして、先の展望広場へと向かいます。

南木曽岳山頂

 途中に見晴台があり、梯子を上ったとこからは御嶽山や乗鞍岳が良く見えました。向かい側には南木曽岳大神の大岩と祠があり、かつての山岳修験の山の面影があります。 今は木道や桟橋や鎖が沢山あって安全に登ることが出来ますが、これらがなければ大変な修行であること間違いありません。

見晴し台

御嶽山と乗鞍岳

南木曽嶽山大神と祠

 すぐ先へ行くと、にわかに展望が開け赤い屋根の避難小屋とその背後に中央アルプスの稜線が真正面に見えてきます。

避難小屋広場広から中央アルプス

 避難小屋の先の展望広場へ行くと、山座同定できる案内図と目の前に広がる実際の山々とを見事に一致させることが出来ます。

山座同定

中央アルプス

 そして、広場の周辺を見渡すと、見事なまでの「天空の楽園」と言えるような紅葉の光景。 緑の針葉樹林の下に白くなりつつある笹の葉、そこに黄色と赤が点々と混ざり合い、目を楽しませてくれました。下り途中の摩利支天からは恵那山が雲の間からかろうじて霞んで見える程度。 分岐から下は、登りを思い出せば、下りがきついのは明白。急な梯子を下り、根っこに滑らないように注意しながら紅葉の中を黙々と下り、登山口まで戻りました。

山頂の紅葉

山頂の紅葉2

急な下り

 再度、貸切バスに乗車し約1時間45分かけて伊那の経ヶ岳登山口近くの羽広荘に到着。 温泉と豪華夕食に舌鼓を打ち、明日の登山のためゆっくりと休養します。

羽広荘の夕食



 第2日目は、6時前に登山準備をして旅館の前で南アルプスから出る日の出を見た後、徒歩で仲仙寺まで行き、経ヶ岳へ向けて登山開始です。

仲仙寺

 登山口から樹林帯の中を緩やかに登ること、約1時間30分で四合目へ出ます。ここは大泉所ダムルートとの合流地点になります。

四合目

 五合目は少し広場になっていて丸太の椅子もあり、「森の中の憩いの場」と言った雰囲気でゆっくりと休めます。 

五合目

 しかし、ここからが急登の始まりとなり、六合目、七合目ときつい息の切れる登りが続きます。  そして、登りきると正面の木々の間から南アルプスが顔を出します。七合目から八合目の間は一旦下ってから再度登り返しになります。 途中、ツルリンドウの赤い実が目に留まりました。

七合目展望

ツルリンドウ

 八合目は開けた場所で「望郷」とかかれた石碑があり、昨日の南木曽岳よりも更にスケールアップした眺望が望めます。 北アルプスから八ヶ岳、南アルプス、そして木曽駒ケ岳方面と皆さん登ったことがある山々が一望出来ます。下界の伊那や箕輪町が雲の下にバッチリ見えます。

八合目

 東には八ヶ岳。蓼科山から天狗、赤岳、網笠山まではっきりと山容が分かり、雲の上に浮かぶ巨大戦艦のように見えます。

八ヶ岳

 南正面には甲斐駒ケ岳から遠く聖岳、光岳まで望めます。

南アルプス

 更に西には将棊頭山、木曽駒ケ岳が見えます。

裏木曽駒

 このように、360度とまでは行きませんが大展望を望んで、皆さんしっかりと眺めを目に焼きつけて先に進みます。 少し先では御嶽山も見えました。ここから先はまた針葉樹林帯へと入り、展望は望めませんが、九合目、そして高木に囲まれた静かな山頂2,296mを登りきりました。 山頂到着は10時30分で、少し風がありひんやりとしていましたが、そこで早めの昼食をとり、下山しました。

九合目

経ヶ岳山頂

 下山時、六合目付近の紅葉が「三世代紅葉」と言った感じで綺麗でした。

六合目周辺の紅葉

 また 下山後は「みはらしの湯」で汗を流し露天風呂での疲れを癒しながら見る南アルプスの光景も満足感十分です。 登山自体はややきつめの山々ですが、それぞれの展望は素晴らしく、登りつめた際の喜びはひときわ大きく百名山を越える充足感を味わえると思います。(文と写真/宮代正彦)2016.10.21~10.22