富士山を目指そう2018ツアーレポート

富士山の歩き方

~第3ステップ 丹沢・大山で登りのトレーニング~

 8月11日が国民の祝日「山の日」に制定されたのを記念して企画した「安心安全登山教室2018 目指せ日本一の富士山」(毎日新聞社、毎日新聞旅行主催)は5月、第3ステップの丹沢・大山(標高1252M)を歩いた。30人が参加し、8月の富士山登頂へ向けて歩みを進めた。
 
 5月13日、曇りがちの天候の中、一行は標高700Mの大山阿夫利神社下社までケーブルカーで向かった。下社前で準備体操をした後、午前10時半、太田昭彦ガイドの「さぁ、出発しましょう」のかけ声で歩き始めた。登山道は急勾配の階段で始まる。 「いきなり急ですが、ゆっくり歩きましょう」「今日は登りのトレーニングです。頑張りましょう」と太田さん。  急斜面の山道は岩が転がっていたり滑りやすい土だったりと変化に富む。参加者は息を切らさないように、ゆっくりと歩く。 「苦しくなったら、鼻から吸って口から息を吐く。口でパクパクはダメです」と声をかけた。また「急傾斜地は富士山の良い訓練ですね」と付け加えた。
 薄い赤色のツツジが咲き、緑色のマムシグサが背筋を伸ばすように立ち、一行を見送ってくれた。休憩を繰り返しながら、じっくりと登った一行は午後零時半に、山頂に到着した。太田ガイドとハイタッチをした参加者は、みんな笑顔だ。 「登りは苦しかったが、富士山への一歩と思い頑張りました」と男性の参加者は笑った。
 帰りは雨が降り始め、レインウエアに着替えた。初めてレインウエアを着る参加者も多く、手間取る場面もあった。太田ガイドは「富士山では雨の場合もあります。雨の下りではゆっくり確実に足を(地面に)置いて下さい」と語った。
 安心安全登山教室は2016年から始め、今年で3回目。2月の机上講座を皮切りに、3月からの実技講座で体力と実力を養成して、8月の富士登山に備える。昨年も72人中70人が富士登頂を果たした。実技講座で登る山は、6月・宝永山(2693M)▽7月・八ケ岳硫黄岳(2760M)▽8月・富士山(3776M)。各講座はすでに満席となっている。


 雨天時の登山の注意点
★おおた あきひこ。1961年東京生まれ。山岳ガイド歴21年NHKにっぽん百名山、ひるまえほっとなどに出演し、近著の「山の神さま仏さま」(山と渓谷社)も好評。歩きにすと倶楽部主宰。日本山岳ガイド協会認定山岳ガイド。
 今年も梅雨の季節がやってきました。基本的に天候が悪ければ登山は中止するのがベストであると思っていますが、山では天気が変わりやすく、出発時は天気が良かったのに山頂で弁当を食べていたら雨が降ってきたということや、1泊2日の登山なら1日目は好天だったのに、2日目は朝から雨になってしまったということはよくあります。
 先ほど、天気が悪ければ登山中止がベストと申し上げましたが、前言を翻すようで恐縮ですが、実はリスクの少ない低山などであれば、経験豊富な指導者のもと雨の山も経験しておいた方が良い、というのが私の意見です。なぜなら、お伝えした通り、山ではいつ雨が降り出すかわかりません。 特に富士山のような宿泊を伴う大きな山に行く場合は、当日いきなり雨にあって慌てて支度をしなければならないというよりも、雨が降ってきた際の身支度や歩行を経験しておいた方が、いざという時に対応がスムーズにできることは明らかです。
 では、ここからは、雨天の場合の注意点についてお話しします。まず、行動中に雨が降り出す可能性が高いときは、事前に雨具をなるべくザックから取り出しやすい場所に置くことで、行動が素早くでき、ぬれを最小限に抑えることができます。また、雨天の行動の際には傘の使用はお勧めできません。 特に尾根や稜線を歩いている時は、風にあおられやすく危険です。
 2つ目ですが、ゴアテックスのように水や蒸れに対して優れた力を発揮する素材の雨具でも、行動中は蒸し暑くて汗をかいて下着や登山ウエアをぬらしてしまうことがあります。そこで、歩行中に暑いと感じたら、雨具の中の衣類を1枚減らす、または雨具のジッパーを少し開けたりするなど工夫して、少しでも蒸れを逃がす努力が大切です。 山では低体温症を防ぐために、極力衣類や身体をぬらさないように注意を払って下さい。もちろんザックの中身もぬらさない工夫が必要です。


不思議な容姿のマムシグサ

かれんに咲くツツジの花

自然を楽しむ醍醐味

登山達成でハイタッチ

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