富士山を目指そう2018ツアーレポート

富士山の歩き方

~第2ステップ陣馬山 歩くペースは1分間に50歩ほど 下りは背筋をピン~

 8月11日が国民の祝日「山の日」に制定されたのを記念して企画した「安心安全登山教室2018 目指せ 日本一の富士山」(毎日新聞社、毎日新聞旅行主催)は4月、第2ステップの陣馬山(855メートル)を歩いた。大勢の入門者、初心者が参加し、8月の富士山登頂へ向け、練習を重ねた。
 
 4月11日午前9時、東京都のJR高尾駅前に、21人(女性12人、男性9人)の参加者が集った。一行を率いるのは上村博道・山岳ガイドで、経験豊富なベテランだ。バス乗車後、登山口まで林道を登った。登山口周辺には白いかれんなニリンソウが咲き誇り、登山者を迎えてくれた。
 上村ガイドは富士山に登るペースについて、「平地では1分間に90歩前後で歩きます。しかし、これでは富士山では高山病にかかりやすくなります」と指導。さらに「富士山では1分間に50歩ぐらいが理想です」と語った。昼食を取りながら、一行はゆっくり歩みを進め、午後1時18分、陣馬山山頂に到着。神奈川県と東京都にまたがる山頂には、白い馬の像が立っている。参加者が記念撮影する姿も見られた。
 春真っ盛りの登山道では、ヒトリシズカが白い花を揺らし、ヤマブキの黄色の花が映える。上村ガイドは下りの歩き方についても「背筋をピンと伸ばして、ストックは長めにして下りましょう」「午後2時を過ぎると眠くなり、また疲れやすくなり事故が多い。集中して歩きましょう」と語りかけた。
 安心安全登山教室は2016年から始め、今年で3回目。2月の机上講座を皮切りに、3月からの実技講座で体力と実力を養成して、8月の富士登山に備える。昨年も72人中70人が富士登頂を果たした。実技講座で登る山は、5月・丹沢大山(1252メートル)▽6月・宝永山(2693メートル)▽7月・八ヶ岳硫黄岳(2760メートル)▽8月・富士山(3776メートル)。各講座はすでに満席となっている。


 暑さ寒さは重ね着で対応
★おおた あきひこ。1961年東京生まれ。山岳ガイド歴21年NHKにっぽん百名山、ひるまえほっとなどに出演し、近著の「山の神さま仏さま」(山と渓谷社)も好評。歩きにすと倶楽部主宰。日本山岳ガイド協会認定山岳ガイド。
 4月に入って、だいぶ春らしくなってきましたね……といつもなら言うところなのですが、今年はもう何度も初夏のような暑い日が訪れては、その後に寒くなるというような天気が続き、体調管理に苦労している方も多いのではないでしょうか。このように気温が乱高下する日が多くなると、山に行くたびに事前に天気と気温をチェックして、山登りの服装にも工夫と注意をすることが必要です。
 今月の富士山へのトレーニングは、高尾山の西に位置する陣馬山を訪れました。陣馬高原下でバスを降りて、30分程緩やかな登りの舗装路を歩きましたが、すでに汗ばむ程度の暑さ。山登りで大切なことは、汗をかく前に薄着になって、なるべく衣服をぬらさないようにすることです。しかし、標高855㍍の陣馬山頂にたどり着いたら、休憩中に少し寒さを感じて上着を羽織るような状態でした。暑くなく、寒くなく。山では、休憩のたびごとに細目に衣服調整をすることが大切なのです。
 そのためには、厚手の防寒着を持つよりも、重ね着で対応できるウェアーが必要です。私の場合はこれからの季節の低山では、上半身は半袖のTシャツを着て、その上には襟付きの長袖の山シャツ。さらに防寒着として薄手のフリースを用意して、それでも寒かったなら雨具の上着を羽織ることにしています。
 また、下半身は事前に気温を確認してから、秋冬用の厚手のズボンか春夏の薄手のズボンかをチョイスします。もしも、薄手のズボンを履いていて寒かった場合は、天気の良い日でも、雨具のズボンを保温用に履くことにしています。
 関東の4月から5月ごろの標高1000㍍程度までの山は、それでOKだと思いますが、私たちが6月のトレーニングで訪れる宝永山は2693㍍。東京都心よりも15度くらい低い気温となります。ゆえに上記の服装に加えて、薄手のダウンジャケットや保温用の帽子と手袋があると安心です。


可憐なヒトリシズカ

ヤマブキの花

陣馬山山頂には、白い馬の像があった。像の前で記念撮影も

上村博道・山岳ガイドに 歩き方を学ぶ参加者

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