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富士山を目指そう2018ツアーレポート

今年こそ富士山

~高尾山で足慣らし~

 8月11日が国民の祝日「山の日」に制定されたのを記念して企画した「安心安全登山教室2018目指せ 日本一の富士山」(毎日新聞社、毎日新聞旅行主催)が開講した。2月には机上講座が開かれ、さらに3月には富士登山の登竜門になる東京都の高尾山(599メートル)を歩いた。

 今月6日朝、東京都八王子市の京王高尾山口駅前に、30人(女性20人、男性1人)の参加者が集まった。真新しい登山靴に、ザックが印象的だ。ベテランの山岳ガイド、太田昭彦さんは「今回は、足慣らしと山に体を慣らすことを目的にします。歩き方の基本を学びましょう」と呼び掛けた。
 沢沿いの山道をゆっくりと登って行く。途中からは石が転がり、岩が露出した本格的な登山道となった。こう配もきつい箇所も出てきた。太田ガイドは「足場の良いところをよく見て、そこを歩きましょう」「山では、大またでは歩かない。歩幅は小さく、足の裏全体で静かに着地しましょう」とアドバイスした。
 また、歩く速度については「自分のペースで」と言う。では、自分のペースとは? 「回りの人たちとおしゃべりできる速度ですね。でもしゃべりすぎると疲れてしまいますよ」と笑わせた。
 正午過ぎ、山頂に到着。富士山こそ見えなかったが、神奈川県の屋根・丹沢山地が歓迎してくれた。
 千葉県四街道市から参加した主婦(61)は「登山靴を初めておろしました。いろいろ教えていただいて良かった」。埼玉県越谷市の主婦(65)も「富士山に登れるように頑張りたい」と話した。

 安心安全登山教室は2016年から始め、今年で3回目。2月の机上講座を皮切りに、3月からの実技講座で体力と実力を養成して、8月の富士登山に備える。昨年も72人中70人が富士登頂を果たした。 実技講座で登る山は、4月・陣馬山(855㍍)▽5月・丹沢大山(1252メートル)▽6月・宝永山(2702メートル)▽7月・八ヶ岳硫黄岳(2760メートル)▽8月・富士山(3776メートル)。各講座はすでに満席となっている。


 高尾山で山歩きのコツを
★おおた あきひこ。1961年東京生まれ。山岳ガイド歴21年NHKにっぽん百名山、ひるまえほっとなどに出演し、近著の「山の神さま仏さま」(山と渓谷社)も好評。歩きにすと倶楽部主宰。日本山岳ガイド協会認定山岳ガイド。
 今年も富士山のトレーニングが始まりました。この企画には登山経験の浅い方も多く、まずは敷居の低い高尾山からその第一歩を踏み出していただこうというのが、今回の趣旨です。コースは京王線の高尾山口駅から琵琶滝を経て、ケーブルの山頂駅付近へと至り、薬王院から山頂へ。下山は、つり橋が楽しい四号路から表参道を下り、再び高尾山口駅へと戻るコースです。
 今の時期としては、このコースが無理なく歩ければ、まずは合格。初心者が富士山を目指す第一歩は、山に慣れること。さらに歩き方のコツを身につけていただくことも重要です。
 街では路面状況がいいので、多くの方が大またでスタスタ歩いていると思いますが、山では前後の歩幅は狭くして足の裏全体で静かに着地するということをお勧めしています。そして左右には、いつもより少し広めに足を開きます。
 なんだか標語のようですが「前後に小さく、左右に広く」ということを心掛けていただくと、脚力の負担が少なくなり、転倒もしにくい歩き方になると思います。
 また、富士山に登るためには少しトレーニングをしていただくことも大切です。あまり難しいことではなく、無理なくできることを継続して頂くのがベストです。まずは週に1回~2回、少し息が切れる程度の速度で歩いて下さい。 時間にして30分程度。ただし、ずっと息を切らしながら歩くのはシンドイので、苦しくなってきたら速度を落として、また落ち着いて来たら、速度を上げるということを繰り返して下さい。一か月位たったころから、その成果を感じられると思います。でも、不調を感じたら、無理せず様子をみて下さい。無理をしないということも、登山では重要です。
 江戸時代に、この高尾山は富士山のお前立の山として多くの参詣者を集めていました。私たちもこの山で、かつての富士講の人たちから感じたエネルギーを受け取り、少しずつ高みを目指していくことができればと願っています。


にぎわう高尾山山頂

行程説明する太田ガイド

登山道をゆっくり登る太田ガイド

>>第2ステップの陣馬山で練習